これがIELTSだ!(後編)

皆様、いかがお過ごしでしょうか?

よく、ニュージーランドのガイドブックなどを見ると「ニュージーランドは一日に四季がある」などと書かれていますが、ここ数日、クライストチャーチはまさにそんな日が続いています。
朝はまだ寒く、お昼前頃からだんだんと暖かくなり、昼過ぎ頃は日差しが強く暑くなり、日が傾いてくるとだんだん涼しくなり、夜はしんしんと冷えてくる…そんな感じです。

さて、今回は「これがIELTSだ!(後編)」ということで、先週受けました「IELTS」の話の後編をお送りしたいと思います。

前回までのあらすじ
ニュージーランドの永住権取得のために、IELTSに挑戦することになったつとむ。
初受験ということで、極度の緊張状態のまま試験地に向かう。しかし、会場にあまりにも早く着き過ぎ、時間つぶしをするはめに…。 時間つぶしの散歩の後、いよいよ試験開始。
最初の試験であり、もっとも準備されていないスピーキングの試験が、今始まろうとしていた…

スピーキング開始!


11.40 am

やや大柄のちょっとソバージュがかった金髪のおばちゃん(試験官)と、実際の試験会場となっている教室に入る。なんとなくイメージとしては、会社の応接室みたいなところイメージしていたのだが、実際は本当の教室。広い教室内の入り口付近の一角に、テーブルと椅子がふたつ用意されており、テーブルの上には旧式のカセットレコーダーとファイル、そしてメモ用紙と鉛筆などが置かれている。

試験官に着席をすすめられ、指定の椅子に座る。いよいよだ。試験官がテーブルの上のカセットレコーダーを録音状態にし、質問が開始された。
(以降、緑が試験官の発言、青が私の発言)

私の名前は、ジェニー(仮名)です。パスポートを拝見させてください
はい…(と、パスポートを手渡す)
名前は、なんと発音すればいいのですか?
はい「つとむ」です
つとむ…ですね。わかりました
(ちゃんと、発音できるじゃないか…)

実は英語のネイティブスピーカーの人って、「つとむ」って発音できない(あるいは、非常に発音しずらそうな)人が多いのです。なので、もし「つとむ」という発音が難しそうだったら、「ネイティブの人は“つとむ”って発音難しいんですよね…“トム”でもいいですよ」なんていうフリも考えていたのですが、このネタはあっさりと使えないことが決まってしまったのでした…(T_T)
ちなみに、試験官の名前が(仮名)なのは、聞いたのですが、緊張のあまり忘れてしまったからです。
では、最初にあなたのことを聞きます。学生さんですか?それとも働いているのですか?
○○情報システムという会社で、システムエンジニアをしていましたが、やめました
何故、その仕事を選んだんですか?
大学時代に、コンピューターのプログラムを作ったことがあって、それでコンピューターに興味を持ったからです
では、なぜ仕事をやめてしまったのですか?
「(きたー!)はい。5年ほど前にニュージーランドに来て、ニュージーランドにとても強い魅力を感じました。そして、ここで暮らしたいと思いました。そこで永住権を取るために、会社をやめてクライストチャーチに来ました

っと、こんな感じ。このまま会話を再現すると、かなり長くなるので、どんな質問がされたのかだけを記載する。

  • リラックスしたいときには、どういうことをする?また、どうしてそれをするとリラックスできると思う?
  • 笑うのは好き?どんなテレビ番組を見て、どういうところで笑う?また、人を笑わせるのは好き?
  • あなたのリラックスできる場所は?そこのどこがいい?(注:これが課題)
  • 日本では、環境問題がある?
  • 環境を守るための費用は、誰が負担するべきだと思う?
  • 環境問題に対する教育は大切だと思う?

…だんだんと抽象的になり、難しくなる質問。ときにつまりながらも、ありったけの単語を使って、なんとか受け答えを続けた。

インターバル


12.03 pm

ジェニー(仮名)が録音中のカセットを停止。

はい。これで試験は終了です。午後からの試験もがんばってね

終わった。思ったよりも時間は短く感じた。いちおう、話したことについてうなずいていてくれたが、本当にわかってくれていたのだろうか?できるかぎり喋ったつもりだが、どういう採点になるんだろう?

そんな不安もあるものの、とりあえず最も心配だったスピーキングモジュールが終了。ほっと一息という感じが少しだけした。


12.05 pm

受付にもどって荷物を返してもらう。この後は、12.15 pmまでにこの受付までくればよいということだったので、いったん外に出て一服。そして、持参した昼食がわりのバナナを食べる。

スピーキングの試験を思い出すと、結局、事前に想定してた質問は皆無だったことに気がつく。なるほど、これでは下手に事前準備などしても無駄だとあらためて感じた。
そういえば、マットのアドバイスのクルセイダーズのジャージも、あまり(というか、ほとんど)効果がなかった。残念。


12.15 pm

ふたたび窓口へ。

少しすると受付がはじまり、パスポートチェックと教室の割り振りが伝えられる。受験生は全部で30名くらいであろうか。全員のチェックが終了するまで、受付付近で待機。

そして、またもや午前中のバイトのお兄ちゃんが登場。このお兄ちゃんについて試験会場へ向かう。


12.18 pm

教室の手前で少し待たされる。ここで、あらためて受験生の顔ぶれを見る。アジア系が多い。日本人らしき人もいるが、だいたいが中国系という感じ。その中に、やたらきれいな西洋人のお姉ちゃんを発見。誰かに似ているなぁと思ったが、その時は思いつかなかった。後で考えてみると、テニスのシャラポワに似ていた。なぜかちょっとうれしくなる。


12.20 pm

教室に入る。私の入った教室には、全部で15名の受験生。シャラポワは別の教室だった。残念。

試験官からの説明が始まる。

まず、腕時計を含めた手荷物がある人は、となりの教室に荷物を運ばなければならない旨の説明がなされる。また、荷物というほどでもない場合、教室の前に置かなければならないとのこと。徹底している。実際に運ぶのは、後で…と言ったはずなのだが、中国人と思われるおっちゃんが、荷物を教室の前に持って行く。

続いて、またもやひとりずつ、パスポートのチェック。試験官(おばちゃん)が、ひとりひとりを呼んで、教室の前の方でパスポートの写真と本人の顔を見比べる。まさに首実検。そして、この時に荷物を一緒に持って行き、首実検の後、隣の教室に持って行くことになった。ここで、くだんのおっちゃん、試験官のおばちゃんに「手荷物は?」と聞かれ、教室の前に置いたと答えると、「あそこじゃだめ。隣の教室に運んで。まず、あの荷物持って来て」というようなことを言われる。ところがおっちゃん、そのまま席に戻ろうとする。「ちょっと、荷物持って来て!」やや言葉に力が入る試験管のおばちゃん。やっと自分の誤りに気づき、荷物を隣の教室に運ぶおっちゃん。大丈夫か、あのおっちゃん?と、他人事ながら、ちょっと心配になる。

全員の首実検終了後、回答用紙の記入についての説明が始まる。

ここで、何をおもったか、先ほどのおっちゃん、いきなり立ち上がって、記入の仕方を直接聞きに行こうとする。「これから、ひとつずつ説明しますから」と、試験官のおばちゃん。しかし、言われていることがわからないのか、なおも食いすがるるおっちゃん。「だから、これから説明するの。いいから席にもどって。説明を聞いてもわからなければ、そのときに聞いて!」と、語気が強まるおばちゃん。やっとわかったのか、おっちゃん、席に戻る。本当に英語わかるのか?このおっちゃん?

試験開始前のエピソードをもうひとつ。

リスニングとリーディングの試験の回答用紙は、裏表になっており、採点結果を機械処理できるようにマークシート方式となっている。(回答欄はマークシートではなくて、普通の記入式)なので、鉛筆で書かなければいけない。当然、試験のお知らせにも、ペンはだめ、鉛筆もってこいと書いてある。書いてあるのに、なぜか鉛筆を持っていないという受験生がいた。日本なら「じゃ、受けられませんね。さようなら」となりそうなものだが、試験官のおばちゃん、予備の鉛筆を持っていて、それを貸してあげていた。

ちなみに、鉛筆を借りていたのは二人いて、ひとりは白人男性、もうひとりは、上記の“おっちゃん”だった。ほんとうに大丈夫か?おっちゃん?

リスニング&リーディング


12.40 pm

いよいよ、リスニングの試験開始。

リスニングは30分、問題のテープを聞いて問題用紙に回答を記入、その後、10分間のトランスファー・タイムが与えられ、問題用紙から解答用紙に答えを写すというかたちで行われる。

リスニングは大きく4つのパートに別れている。問題用紙は回収されるので、細かい説明はできないが、おおよそ以下のような会話(スピーチ)に関する問題だった。

  • 大学の学生課のようなところで、住居斡旋のお願いをする会話
  • 大学にあるドライバーズクラブに関する説明のスピーチ
  • 大学の図書館についての説明とそれを聞く学生の会話
  • 大学の語学コースに関する説明のスピーチ

答えを考えているうちに次の問題の回答となる部分を聞き逃すというミスを、何問かやってしまった。が、まぁ全体としては、そこそこできたという感じだろうか。

リスニング終了後、続いてリーディングの問題用紙が配られ、すぐに試験開始。

時間は60分。問題は大きく3つに別れていて、それぞれをだいたい20分ずつで答えるというのが、おおまかな目安となっている。出て来た問題は、次のようなものだった。

  • T/F/N問題と広告さがし問題
  • タイトル付け問題
  • 長文問題(内容についての質問)

「T/F/NG問題」というのは、IELTSのリーディングで必ず出ると言っていい問題で、いくつかの文章が提示され、それぞれの文章の内容が問題文(長文だったり、なにかの広告やマニュアルだったりする)の中に書かれている内容かどうかを聞くもので、正しければ「TRUE」、間違っていれば「FALSE」そして、そもそも問題文の中には真偽が書かれていなければ「NOT GIVEN」と答える問題。で、この問題「FALSE」と「NOT GIVEN」の区別が非常に難しく、私の一番嫌いな問題だった。それが一番最初にあり、ちょっとあせる。

「広告さがし問題」は、いくつかの広告が載っていて、ある条件にあてはまるのはどの広告か探すもの。そして「タイトル付け問題」は、いくつかのパラグラフに対して、最もあてはまるタイトルをつけるというもの。広告はともかく、この「タイトル付け」もけっこう難しく、二番目に嫌いな問題。ここでもちょっとやられる。

一番得意としていたリーディングだったが、時間もぎりぎりで、ちょっとやられたという感じがした。

そして、ライティング

リーグィングが終了、そしてまたもや休憩もなしに、ライティングの試験。時間は60分で、ジェネラル・カテゴリーの場合、150ワード以上の手紙を一通、250ワード以上のエッセイを1本書かなければならない。

出て来た問題は、次のふたつだった。

  • あなたは、今度、ある大学に行くことになったが、そこにリファレンス(証明書/推薦状)を出さなけれならない。そこで、前の学校の先生に、自分のリファレンスを出してもらうよう手紙を書きなさい。その手紙には、1)自分は誰なのか、2)大学のどのコースに行くのか、3)何故そのコースを選んだのか、を書くこと。
  • 世界の言語を「インターナショナル・ランゲージ」とでも呼べるものを採用することが、今後重要だという意見がある。その一方で、こうした言語を採用した場合、その国の文化の衰退につながるのではないか、という意見もある。双方からの意見に対する考えを書きなさい。

5分弱でだいたい書く内容を想定、ともかく書き始めた。

ライティングは、一度書き出してしまったら方向転換が難しい。「こういう内容の文章を書くと、後のつながりが…」なんてことを思ってしまったとしても、書き直す時間はほとんどないので、もう無理矢理にでも文章をつなげて、ひとつの手紙なりエッセイなりにまとめるしかなくなってしまう。
実際、書いている途中で、なんとなく内容のない手紙と、つながりが悪いエッセイを書いている気がしてきてしまったが、もう後戻りはできない。ともかく書き続けた。


4.00 pm
「以上で、終了です」

終わった。

とりあえず、ライティングも規定のワード数以上には書いた。内容はともかくとして。

はたしてどんな採点結果がなるのか、まったく予想がつかないが、規定ワード数以上書けたのは、まぁよかった…と、自分を慰めた。

外に出て、一服した。なんとなく、ホッとした。気がつくと、朝の曇り空が嘘のような、きれいな秋晴れの空が広がっていた。

「あのシャラポワ似のお姉ちゃんはどこにいったんだろう…」

そんなことを考えながら、会場を後にした。   (完)


と、いうことで、今回は終了であります。

本当は、もっと簡単に書こうと思っていたのですが、書き始めたら、あのことも書いておこう、このことも書いておこうと思ってしまい、予想外に長い文章になってしまいました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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