No.61 運転免許物語(その1)

皆様、いかがお過ごしでしょうか?

クライストチャーチはデイライトセービングとともに冬が来た感じになりました。特に朝夜の冷え込みが厳しくなってきて、思わずストーブを付けたくなってしまいます。すでに他の家ではストーブを使い始めたところもあるようで、夜に外に出ると、かすかに薪を燃やすにおいが漂って来るようになりました。

まずはおさらいと簡単な説明

つとむです。と、いうわけで、先週の結びでお話させていただいた通り、今回は運転免許証取得のお話をさせていただきます。話に入る前に簡単におさいらいを。

まず、日本免許証を持っている場合、ニュージーランドの免許証へは「書き換え」が出来ます。ただし、書き換えと言っても、免許を見せればOKというわけではなく、学科試験(Theory Test)と実技試験(Practical Test)を受ける必要があります。「No.51 レッツ、スクラッチ!」ではこの学科試験のお話をさせていただきましたので、今回は実技試験のお話であります。

さてこの実技試験、ニュージーランドの国土交通省にあたる「Land Transport NZ」の発行している「Full licence test for driving a car」という資料によれば、3つのパートに別れています。

Part 1は「Basic driving」が約10分。これは真っ直ぐ、左折、右折などを織り交ぜながら、きちんと方向指示器を使っているか、ミラーをきちんと確認しているか、走行位置は安全か、スピードは適切かなどの基本的な運転技術のチェックとなります。Part 2は「Detecting and responding to driving hazards in built-up areas」が約15分。これは制限時速60km/h以下の道で、歩行者や対向車などの運転時の障害物となるものをきちんと把握しているかという確認と、Give Way(他方優先サインという感じのもの)やRoundabout(回転式の交差点)の運転の試験が行われます。そしてPart 3は「Detecting and responding to driving hazards in higher speed zones」が約20分。これは制限速度が70km/hから100km/hとなる郊外の道やMoterwayと呼ばれる高速道路の運転試験となります。

これが決まりなのですが、毎度のことながらニュージーランドでは決まりは決まり、実際は…なのです。くわしくは後ほど…。

レンタカーでゴー!

さて、実はこのPractical Testを受けるには、ひとつ用意しなければならないものがあります。それは、なんと試験用の車なのです。そうです。ニュージーランドの実技試験は受験者が自分で用意した車で行われるのです。なので、受験者はみんな車で試験を受けに来て、車で帰って行くのです。(実は学科試験に合格すると、日本の仮免のようなものを発行してくれるので、車で来られるんですね…)私たちは車を持っていませんので、レンタカーを借りて試験に臨むこととなりました。

試験当日の朝。この日はどよ〜んと曇り空。そして時折ぽつぽつと雨も落ちて来ているというあいにくの天気でした。私たちは家の近くのレンタカー屋で車を借り、その足で試験の受付となるAA(Automobile Association)に向かったのでした。

二人とも同じ日に試験の申し込みをしていたのですが、仕事の予定が入っていたなおみが先に試験を受けることになっていました。実技試験の開始を待っていると、大柄でちょっと太り気味で白髪の試験官が登場、なおみと一緒に車の方へ行きました。そしてまずは方向指示器がちゃんと前後ともに点灯するかどうかの確認(ちなみにこれがダメだと即試験終了だそうです)、そして車の中で試験の説明らしきものを受けてから出発。車はゆっくりと駐車場を出て行きました。

大丈夫かなぁ…と思いながら待っていると、20分ほどして見覚えのある車が戻ってくるじゃないですか!そう、なおみの乗った車が戻ってきたのです。なんかいやに早いなぁと思っていると、車の中から出て来た試験官、私に「奥さん、もっと運転の練習をした方がいいな」なんてことを言ってるじゃないですか!で、なおみに聞いてみると、不合格で試験中止になってしまったとのこと。理由を聞いたらなんと「スピードが遅すぎる」とのこと…えっ!?なんですかそれ?スピード出し過ぎっていうならともかく遅すぎって…安全運転でいいじゃん?しかし、あまり遅くても危ないというのがニュージーランドの考え方のようで、50km/h制限の道路なら45〜50km/hの間くらいで走らないといけないとのこと。あとは、一時停止で停まっていない、交差点でちゃんとミラーを見ていないなどと言われたそうです。そしてなおみは再度実技試験の予約をして、どうも納得できないという表情のまま仕事に向かいました。

私が見る限り、なおみの運転は別に下手という訳ではありません。確かに結婚してからは私が運転することが多く、あまり運転していなかったのは事実ですが、それにしてもスピードが遅いとかミラーを見ていないなんてことはないはず。最初はまぁ大丈夫だろうなんて思っていた私も、ちょっと緊張してきてしまいました。

そして試験…果たして結果は!?

なおみの試験終了から約一時間後、私の順番が回ってきました。試験官は…なんとなおみと同じおっさんです。うーん、これはいいことなのか、悪いことなのか…なんだか更に緊張してきてしまいました。

再び方向指示器の検査を行ってから、車の中で試験の説明。「私の言っていることがわからなかったら“わからない”と、はっきり言いなさい。大事なことだからね。試験は40分くらい。次は右、左、真っ直ぐと指示を出すから、その通り運転しなさい。OK?」ってな感じの説明を受けていよいよ試験開始です。

駐車場を出てから近くの住宅地の中を右に左に進んでいきます。なおみの話を聞いていたので、スピードに気をつけ、交差点では必ずミラーをきちんと見るように心がけました。

徐々に試験スタートのAAから離れた方に進んで行きます。とりあえず、今のところは大丈夫そう…。と、その時、目の前に横断歩道が出て来たので、軽くブレーキを踏んだところ…「ノー!横断歩道に人影がなかったら同じスピードで走りなさい!」ですと。う〜む。日本とちょっと違う…。

そして少し試験にも慣れ、ちょと気が緩んだ時にそれは起こりました。

交差点で左折しようとしたとき、信号が黄色に変わりました。が、ここはタイミング的に曲がれそうと思った私は、交差点に突っ込んで曲がってしまったのです。「ノー!!!」と叫ぶ試験官。「何しとる!今の信号で進んじゃいかん!」…や、やば…確かに一瞬判断に迷うタイミングだったのですが、行っちゃったものは仕方ないじゃないですか…ねぇ…。しかし、この一喝はかなり私の動揺を呼びました。おかげでこの後、Roundaboutで右折と言われたところを直進しようとしてまたもや「ノー!!!」と叫ばれることに。「あぁ…これで終わりだ…」という声が頭の中に響き渡りました。

約40分後、試験スタート地点のAAに戻ってきました。友人からPart 2の障害物確認のところでは、試験官から具体的に何が障害物だったか聞かれると聞いていたのに、結局私はひたすら運転していただけでした。と、いうことは……以下、試験官の総評(カッコ内は私の感想)です。

「まず、一時停止のところで2回ちゃんと停まっていなかったね。(えっ?停まってたはずですけど…)それから、右折のときに、左に寄ったまま曲がったところがあった。あれは良くないね。(全然記憶にないんですけど…)それから、あの信号のところ。あのタイミングでは絶対に進んではダメだ。(ハイ。あれは私もちょっとマズいと思いました…)と、いろいろあったわけだが、一家で1人くらいはちゃんとした免許を持ってないと大変だろうから、合格にしてあげよう。(…へっ?ほんまでっか?)」

と、いうことで、実は同じ試験官だったことが吉と出たようで、お情けで合格にしてもらいました。

そしてなおみは後日、またもや実技試験に挑戦することになったのですが、ちょっと長くなってしまいましたので、続きは来週、なおみから報告してもらおうと思います。


と、いうことで、こんな感じで今週は終了です。

なんかもう少し簡単に書くつもりだったのですが、私のパートをいろいろ書いているうちに長くなってしまいました。決してネタがないから水増しして2回分にしたわけではありませんので。本当ですよ。

ではまた来週…

(なによ!私の出番、なかったじゃないの!! by なおみ)

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